Vibe-Tradingは、自然言語で指示するだけで株式・仮想通貨・先物・オプションなどのバックテストやリサーチを実行するトレーディングエージェントです。CLI・Web UI・MCPサーバーの3経路で同じエージェントコアを呼び出せる構成になっています。README記載のとおり「pip install」1コマンドで導入し、LLMに本格的なトレーディング能力を付与することを狙っています。
中核はagent/src/agent/loop.pyのAgentLoopで、ReAct方式でツールを呼び出しながら対話を進めます。agent/backtest以下には資産クラスごとのエンジン(crypto・forex・china_a・korea_equity・options_portfolio など)と、Yahoo・Binance・AKShare・Tushare・pykrxなど30種類以上のデータローダーが揃っています。CLIはagent/cli/main.pyが入口で、.envが無ければagent/cli/onboard.pyのウィザードを起動し、以降は対話REPLまたはagent/cli/_legacy.pyに処理を委ねてserve・run・mcp・swarmなどのサブコマンドを実行します。配布はDockerfileで3段階ビルドされ、requirements-lock.txtのハッシュ固定インストールにより依存関係を再現可能にしている点が特徴です。agent/src/agent/grounding以下には、出力の根拠(evidence・figures・identity_checks)をチェックする仕組みも組み込まれています。
- STEP 01
pip install vibe-trading-aiを実行すると、agent/requirements.txtに列挙されたlangchain・pandas・ccxt・weasyprintなど多数の依存関係がインストールされます。
- STEP 02
初回起動時に.envが見つからないとagent/cli/onboard.pyのウィザードが立ち上がり、OpenRouterやDeepSeekなどLLMプロバイダーのAPIキー設定を求められます。
- STEP 03
vibe-trading runやチャットモードで「BTC-USDTのMACD戦略をバックテストして」のように指示すると、AgentLoopがツールを選び、対応するローダーとエンジンでバックテストを実行します。
- STEP 04
Docker派ならDockerfileに従いdocker buildすると、フロントエンド(React)ビルドとPythonバックエンドが1イメージにまとまり、ポート8899と5899で待受状態になります。
- STEP 05
MCPクライアントから使う場合はagent/mcp_server.pyを起動し、Claude DesktopなどのMCP対応クライアントからツールとして呼び出す形になります。
- STEP 06
バックテスト結果はrun_card.pyやrisk_xray.pyなどを通じて、サマリーやリスク指標付きの構造化レポートとして出力されます。
自然言語の指示から、資産クラス別バックテストの結果・リスク指標・根拠付きレポートが得られます。CLIのチャット形式、Web UI、MCPツール呼び出しのいずれの経路でも同じエージェントコアにアクセスできる点が実体として確認できます。
READMEのNews欄には「VaRのギャップ」「ターンオーバーの誤り」「IV精度」など過去に発見・修正されたバグが多数記載されており、金融計算の細部にはまだ修正が続いている段階だとうかがえます。
データローダーがYahoo・Binance・AKShare・Tushareなど外部APIに依存するため、各サービスのレート制限や認証キー取得が別途必要になります。
weasyprintによるPDFレポート生成はPango・Cairoなどシステムライブラリが無いとHTMLのみにフォールバックすると明記されており、環境依存の挙動が残ります。
公式X(VibeTrading_HKU)を名乗る偽トークン・なりすましについてREADME冒頭で強い注意喚起があり、公式チャネル以外からの誘導には注意が必要です。
定量分析やマルチ市場のバックテストを自然言語指示で回したいエンジニア・リサーチャー向けのツールだと判断できます。ソース構成(資産クラス別エンジン・30種以上のローダー・グラウンディング機構・ハッシュ固定ビルド)から、実運用を意識した作り込みが読み取れ、READMEの詳細な修正履歴も実開発の裏付けになっています。ただし金融計算の細部修正が継続中である点と外部API依存の多さは、導入前に把握しておくべき実務上の制約です。